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【注意喚起】中国産ペット用おやつにご注意ください

〜健康を守るために、知っておいていただきたいこと〜
最近では、インターネットやホームセンターなどで手軽にペット用のおやつが購入できるようになりました。一見どれも同じように見えるかもしれませんが、「産地」や「成分表示」には十分ご注意いただきたいことがあります。
特に中国産のジャーキー類(鶏肉・アヒル肉など)には注意が必要です。最近、当院の患者さんでもジャーキーが原因と思われる健康被害が発生しましたのでお知らせいたします。
■ 過去に何が起きたのか?
2000年代後半から2010年代にかけて、アメリカやオーストラリア、日本を含む複数の国で、中国産のペット用ジャーキーを食べた犬が次々に腎臓障害などの健康被害を受けるという事例が報告されました。
アメリカのFDA(食品医薬品局)によると、2014年時点で6,000件以上のペットの健康被害が報告されており、その中には死に至った例も多数あります。
■ 「ファンコーニ様症候群」とは?
中国産のジャーキーを長期にわたり摂取した犬の中には、「ファンコーニ様症候群(Fanconi-like syndrome)」と呼ばれる重篤な腎障害を発症した例があります。
これは本来遺伝性疾患として知られている病気ですが、外因性(=おやつ由来)でも似たような症状が出ることが分かってきました。
主な症状:
- 多飲多尿(お水を大量に飲み、おしっこの量が増える)
- 体重減少
- 元気がなくなる
- 尿の異常(糖が出る)
- 嘔吐や下痢
放置すると腎不全へ進行するリスクもあるため、非常に注意が必要です。
多くの場合は原因となる食べ物の摂取を中止すれば徐々に改善するようです。
■ 見た目ではわかりません
問題となるジャーキーの多くは、一見すると普通のおやつと何ら変わりません。香ばしく、おいしそうな匂いがします。愛犬・愛猫も喜んで食べるため、なかなか「危険だ」と気づきにくいのが厄介な点です。
■ 飼い主さんにできること
- 原産国表示を必ずチェック
購入前に、パッケージの裏面にある「原産国」の記載を確認しましょう。 - 「無添加」や「国産」を優先
国産で、できれば無添加・無着色の製品を選ぶのがおすすめです。 - 症状に気づいたらすぐ受診
「最近おしっこの量が多い」「急に痩せてきた」などの変化が見られたら、すぐに動物病院を受診してください。 - ご不明な点はお気軽にご相談を
当院では、おやつの選び方や食生活全般のご相談も承っています。お気軽にお尋ねください。
■ 最後に
大切な家族であるワンちゃん・ネコちゃんが、知らないうちに健康を損なってしまうことのないよう、「おやつの安全性」についても今一度見直してみてください。ちょっとした注意が、長く元気に過ごすための大きなカギとなります。