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麻酔について
当院で行う麻酔について
麻酔前検査
当院では安全な麻酔を行うため、事前に各種検査(身体検査、血液検査、画像検査など)を行い、基礎疾患を把握することでリスク評価を行います。このリスク評価方法はアメリカ麻酔科学会(ASA)の5分類を適用したもので、広く獣医療で用いられています。
麻酔管理
当院では国際的なガイドラインに沿った麻酔・疼痛管理を行っています。麻酔前には前投与薬を使用して動物の不安をやわらげ、適宜疼痛評価をおこなって鎮痛剤を使用します。麻酔を維持するために吸入麻酔薬を使用しますが、この量が多いと心機能抑制や血管拡張から低血圧を起こす可能性が上がります。鎮痛薬・局所麻酔を手術内容に応じて併用することで必要な吸入麻酔量を減らすことが可能です。
麻酔前日~当日の準備
麻酔前の絶食・絶水についての指示ですが、健康な個体であれば絶食は4-6時間、つまり朝ご飯を抜いていただくようお願いしております。飲水に関しましては特に来院直前まで飲んでいただいて問題ありません。若齢動物や疾患のある患者さんは別途ご案内させていただきます。
麻酔に関するFAQ
- 高齢だから麻酔はかけられないのでしょうか?
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高齢を理由に麻酔がかけられないとは限りません。多くの手術の必要なイヌネコは高齢ですし、ヒトの医療をみてみれば70歳、80歳でも麻酔をかけて手術をすることがあります。もちろん麻酔前に十分な検査を行いリスクを評価したうえで、麻酔をする選択をするほうが動物や飼い主様にとって良いと判断した場合はお勧めいたします。
- 心臓病があるから麻酔は無理といわれました
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とくに小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症を例に挙げると、ステージBであれば適切に投薬管理が行われていれば麻酔自体はかけられると判断します。重度に進行している状態(ステージCまたはD)であればかなりリスクが高い状態ですので飼い主様とよく相談させていただきます。必要があれば麻酔専門医がいる施設へご紹介させていただきます。
- 何回も麻酔をかけるのは良くないと聞いたのですが…
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麻酔の回数は関係ありません。むしろ一回の麻酔時間が長くなれば低体温をはじめとする合併症のリスクは上がります。ただしこういった合併症も適切に麻酔管理をすることで対処できることが多いです。