NEW ! 2025年2月27日にサイトをリニューアルしました

救急診療科

救急・集中治療の経験豊富な獣医師が担当いたします

救急外来で頻度が高い病状についてご紹介します。

異物誤食に対する治療

催吐処置

注射薬を使用して吐き気を誘発します。当院ではトラネキサム酸という本来は止血剤として使用する薬剤を静脈注射しています。多くの患者さんで適応となりますが、食道を傷つける可能性が高い異物の場合は別の方法を選択します。

内視鏡下異物摘出

催吐処置が不適応、または催吐処置が無効であった場合は内視鏡により胃内の異物を摘出します。食渣が残っている場合は視野が限定されるため見落とす恐れがあります。胃切開の方が適していると判断した場合は手術に切り替えることもあります。

開腹による胃腸切開・吻合手術

異物が胃内にとどまっている場合は、胃切開手術が適応になります。すでに小腸へ流れて閉塞している場合は腸切開を行います。誤食してからの経過が長く、腸穿孔・壊死をしている場合は当該箇所を切除し、正常な腸同士を吻合する必要があります。

活性炭

チョコレート、薬物や毒物などを摂取した場合はなるべく早めに投与することが推奨されています。活性炭には消化管内の化学物質を吸着する作用、さらにすでに血中に吸収されている薬物の排泄促進効果もあります。
ちなみに解毒治療として胃洗浄がかつては行われていましたが、服毒後60分で行なった場合の洗浄率は10%程度であり臨床的な有用性は議論の余地があります。